プログラムの名前は「愛と思いやりのある教育プログラム」。
このプログラムについてお話するためには、まずネパールの教育の背景から説明しなくてはいけません。
ネパールの特に農村部では貧困や学校の環境が悪いことなどが理由で、学校をやめてしまう子供たちがいます。学校をやめてしまう子供たちの行き場は少なく、つてを頼って働いたり、最悪のケースでは薬に手を染めてしまう子供もいます。教育を受けていない場合は良い働き口を見つけるのは難しく、その後の子供たちの人生は明るいとは言えません。
まずは子供たちが学校に来たい、学びたいと思うことが一番。
先生たちが子供たちに温かく教育できる環境を作ろうというのがこのトレーニングの目的です。
ラムジュン郡にある「バクティナムナ高等学校」。教員、生徒、教育委員会の方々などなど総勢70名が集まってくれました。
教員たちの意識改革のためのプログラムです。
「愛って何」「思いやりって何」「愛と恋の違いって何?」「なぜ愛が必要なの?」などなど。おそらく教育現場で一番必要であり、一番話されてないテーマが愛なのではないでしょうか。この日はさまざまな質問を投げかけて教師たちに自分たちで考えてもらいます。
今まで考えたことのない質問ばかり・・・最初は戸惑いますが、だんだんみなさん真剣になっていきます。 |
教育プログラム協力団体のサルボーダーヤセワースラム代表のオリヤ氏と当団体代表のカルキ。氏も教育現場に携わった経験もあり、さまざまなお話をシェアしてくれます。 |
参加してくれた教員の方。自分の経験をオープンにシェアしてくれました。 |
日本の教育システムについてもわたくし(大和)が説明させていただきました。
日本の教育システムにみなさん非常に関心が高くて、かなり盛り上がったのです。毎度のことですが、盛り上がりすぎてその間、みんなの質問に対応するため写真まったくとれず・・・。来年こそは、その様子も載せたいです!
日本は法律を整備してコントロールしていますが、愛や思いやりってシステムで作るものではないので、ネパールはどうやって変わっていくべきなのか、それを教育現場に携わる方たちが考えていきます。
この日本のシステムをお伝えするのは日本って発展したすごい国でしょということではなくて。
ネパールに実際何がまだ残っていてどう変わっていくべきなのかを考えてもらうためのきっかけです。
ネパールの人たちは自分たちの国に何が残っていてどう素晴らしいのかそれを知らない人が多いのです。私の役目は外国出身者であることから見えるネパールのすばらしさをネパールの人にちょっとだけでもわかってもらうことです。
みなさん発展を求めてネパールは前進中ですけどその過程で大切にしないといけないこと。教師のみなさんたちが認識することで教え子たちにも伝播していきます。
教育って本当に大切なのです。
終わった後は「本当に良いきっかけをくれたし、このプログラムは教員全員に受けてもらいたい!」と教員の方たちの目がきらきらと輝いていたのが印象的でした。
今年も無事にこのプログラムが終わり、大感謝です。